便秘を改善するには?おすすめの食べ物から運動まで詳しくご紹介
便秘がひどいので、便通が良くなる方法を何か試してみたいと感じている人は多いです。けれど、種類がありすぎて何が正しいかわからず、困っている人はいませんか?
この記事では、腸の働きと便秘の種類から便秘を改善する方法まで詳しくご紹介します。
目次
腸の働きと便秘の種類

画像出典:一般社団法人日本臨床内科医会 わかりやすい病気のはなしシリーズ49「便秘」
胃や小腸で消化された食べ物は液状で大腸へと入り、ゆっくりと水分が吸収されて便になり肛門へと送られます。
腸の働きは自律神経に支配されていますが、ストレスにさらされると自律神経がうまく働かなくなり正常な腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が起こらず、便秘につながることがあるのです。
便秘には以下のような種類があります。
分類 | 種類 | 原因 | 症状 |
機能性便秘(腸自体に異常はないものの大腸や直腸・肛門の動きが低下することで起こる便秘) | 弛緩性便秘(大腸を動かす筋肉がゆるみ蠕動運動が弱まると、なかなか便が運ばれないために起こる便秘) | ・運動不足による大腸の筋肉量の低下 ・朝食を抜くなどの乱れた食生活 ・過度なダイエット水分不足 | ・お腹が張る ・ガスがたまる ・残便感がある ・食欲が落ちる ・肩こり ・冷え性 ・倦怠感 ・イライラする |
痙攣性(けいれんせい)便秘(大腸の蠕動運動に連続性がなくなり、便の通過に時間がかかり過ぎる) | ・ストレス(環境の変化や過敏性腸症候群など) | 残便感がある便が出にくいコロコロとした小さな便が出る食後にお腹が痛くなる | |
直腸性便秘(便意を習慣的に我慢していると神経の感度が鈍り、直腸に便が入っても便意を催さなくなるために起こる便秘) | ・便意の我慢 ・ウォシュレットの過度な使用や不適切な使用 ・浣腸の乱用 | ・残便感がある ・硬くて大きな便が出る ・便が出かかっているのに出ない | |
器質性便秘(大腸がん、手術後の癒着など腸そのものに異常があるために起こる便秘) | ー | ・大腸がん ・大腸ポリープ ・潰瘍性大腸炎 ・クローン病 ・腸管癒着 | ・血便 ・激しい腹痛 ・嘔吐 ・体重減少 ・貧血 |
症候性便秘(甲状腺機能低下症や副甲状腺機能亢進症で大腸の蠕動運動が弱くなって起こる便秘) | ー | ・甲状腺機能低下症 ・副甲状腺機能亢進症 ・神経損傷 ・糖尿病の合併症 ・生理や妊娠中のホルモンの影響 | ・腹痛とお腹の張り ・便の性状変化 ・慢性的な倦怠感 ・体重減少 ・食欲不振 ・皮膚のトラブル ・全身のむくみ ・原因となっている病気特有の症状 |
薬剤性便秘(薬の副作用で起こる便秘) | ー | ・風邪薬 ・咳止め薬 ・気管支拡張剤 ・抗うつ薬 ・抗がん剤 ・パーキンソン病治療薬 | ・便が硬くなる ・出にくい ・排便回数の減少腹部の不快感 ・膨満感 ・腹痛(特に下腹部) ・強くいきまないと排便できない ・便秘と下痢を繰り返す ・吐き気や食欲不振 |
上記の中で器質性便秘、症候性便秘については原因となる病気の治療が必要なため、気になる症状があれば早急に受診しましょう。
また薬剤性便秘の場合、自己判断で薬をやめず医師に相談の上薬を調整してもらいましょう。
便通を改善するには、まず症状から自分がどのような種類の便秘なのかを考えてみるのが大切です。
参考:一般社団法人日本臨床内科医会 わかりやすい病気のはなしシリーズ49「便秘」
便通を改善する方法

便通を改善する方法を原因別にご紹介します。
運動不足
運動不足が原因の便秘の場合、便通改善のために以下のような運動を生活に取り入れてみましょう。
- 腹筋を鍛えるトレーニング
- ウォーキング
- 水泳
- ジョギング
- ヨガ
一度にたくさんの運動をしようとせず、少ない時間、1つの運動から始めて、目標が達成できたら少しずつメニューを増やすのがおすすめです。
食生活
食生活の乱れが原因の便秘の場合、まずはどのような食生活が便通改善につながるのかを理解しましょう。
- 便通改善につながる食生活のポイントは以下の通りです。
- 朝食・昼食・夕食を決まった時間に取り食事のリズムを整える
- 食物繊維と水分を意識的に取る
- 腸内環境を整える食品を積極的に取る
食物繊維は2種類あり、期待できる効果と含まれている主な食品は以下の通りです。
食物繊維の種類 | 性質 | 期待できる効果 | 含まれている主な食品 |
水溶性食物繊維 | 水に溶けてゲル状になる | 便を柔らかくして排便を促す | ・野菜類 ・いも類 ・海藻類 ・果物 ・プルーン ・アロエ |
不溶性食物繊維 | 水に溶けにくい | 水分を吸収して膨らむことで腸の蠕動運動を促したり、便のかさを増やしたりして排便を促す | ・穀類 ・豆類 ・ごぼう ・納豆 ・ヨーグルト |
また腸内環境を整える役割を果たすのは、味噌汁や納豆などの発酵食品です。
例として以下のような和食のメニューは、便通を改善しやすい働きがあります。
- 納豆ごはん(穀類、納豆)
- わかめの味噌汁(海藻類、不要性食物繊維、発酵食品)
- きんぴらごぼう(ごぼう)
- 豆腐ハンバーグ(豆類)
- アロエヨーグルト(アロエ、ヨーグルト)
栄養バランスの良い食生活が、便通の改善にもつながります。
行き過ぎたダイエット
行き過ぎたダイエットが原因の場合、目標体重やそれを達成するまでのスケジュールに無理がないか見直してみましょう。
極端に食事量を減らすと食物繊維、水分が不足して便が出にくくなります。
そしてダイエットでは脂質を減らしがちですが、これは便の滑りを悪くしてしまうため、さらに排便しにくくなります。
また腸内にはある程度の便がないと、そもそも便を押し出すことができなくなるのです。
身体に必要な栄養が不足すると血行不良や自立神経の乱れを引き起こすため、美容にも健康にも良いとは言えません。
必要な栄養はしっかりと取り、身体に負担をかけないダイエットを心がけましょう。
水分不足

便が固く出にくいのは便に含まれる水分が不足していることが原因のため、日頃から水分をあまり摂取しない人は、こまめに水を飲むようにしてみましょう。
環境省でも「『健康のために水を飲もう』推進運動として、一日あたり約2.5Lの水を飲むことを推奨しています。
便通改善のためだけではなく健康な毎日を過ごすためにも、意識して水分を取ることが大切です。
ストレス
腸の蠕動運動は、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスによって保たれています。
しかしストレスがたまると交感神経が優位となってしまうため、腸がうまく動かなくなってしまうのです。
ストレスが原因の便秘の場合、自分が何に対してストレスを感じているかを考えてみましょう。
また、自分の物事の捉え方がストレスがたまりやすい原因になっていないかも同時に見直すのがおすすめです。
ストレスの原因がはっきりすると、その原因から離れる、離れられないので発散するなど解決策が見えてきます。
また自分の物事の捉え方でストレスがたまりやすくなっているなら、別の観点でも物事を捉えられないかを試してみるのがよいでしょう。
便意を我慢する
便意を感じても排便せず我慢を続けていると、排便反射が鈍くなり便秘につながります。
また溜まった便は、腸に水分を吸収されるため、さらに硬くなってしまうのです。
便意を我慢する癖がついている人は、便意を感じたらなるべく早くトイレに行くことはできないか考えてみましょう。
温水洗浄便座
便秘がひどいからと、温水洗浄便座の洗浄の刺激で便通を改善しようとする人がいますが、これは不適切な使用方法です。
続けると自然な便意をさまたげさらに便秘がひどくなる可能性が高いため、このような行為は控えましょう。
市販薬の乱用
市販の便秘薬の乱用も自然な便意をさまたげ、便秘を悪化させることにつながります。
処方薬より効能が弱いからと自己判断で薬の量や服用回数を増やすのは危険な行為です。
市販薬を用いて便秘の改善が見られない場合は、受診して医師に相談しましょう。
病気
病気が原因の便秘の場合は、まず原因となっている病気の治療から始めましょう。
医師に病気の症状を説明する際便通の状況についても伝え、症状を改善するためにはどうすればよいか相談するのがおすすめです。
薬の副作用
薬の副作用で便秘になった場合は、どのような症状があるかを医師に伝え相談しましょう。
便秘だからと勝手に飲む回数や量を自己判断で減らすのは、危険な行為なので要注意です。
セルフケアで便通が改善されない場合は多聞内科クリニックにご相談ください

セルフケアで便通が改善されない場合は多聞内科クリニックにご相談ください。
便秘を放置すると痔や腸閉塞、大腸がん、心血管疾患、慢性腎臓病などの病気のリスクが高くなる可能性があります。
また腸内で有害物質が発生し、肌荒れや頭痛を引き起こす可能性も出てきます。
多聞内科クリニックではお腹や大腸に違和感がある場合、必要に応じて大腸内視鏡検査で詳しく原因を調べることも可能です。
不快な便秘の症状を早く改善したい人は、次のページもごらんください。
大腸内視鏡検査について | 多聞内科クリニック|消化器内科・肝臓科・一般内科
まとめ
便秘にはさまざまな種類がありその原因も多岐に渡るため、自分の便秘の原因に応じた便通の改善方法を試すのがおすすめです。
この記事も参考にして、毎日のスムーズなお通じを目指しケアをしてみてください。