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アルコール性肝障害とは?治療や予防方法を詳しく解説

お酒を飲み過ぎて、健康診断で肝機能の数値が良くないと指摘された人が周囲にもいるけれど、一見元気に見えるので何が問題なのかよくわからないと感じている人はいませんか?
この記事ではアルコール性肝障害とはどのような病気から治療、予防方法まで詳しく解説します。

飲酒

アルコール性肝障害とは?

アルコール性肝障害とは長期(通常は5年以上)にわたり過剰な飲酒を続けることで肝臓に起こる障害の総称です。

アルコール性肝障害には次のような種類があります。

アルコール性肝障害の種類概要
アルコール性脂肪肝アルコールが原因で中性脂肪や余分な栄養が蓄積し、通常は肝臓に5%ほどある脂肪が30%以上ある状態
アルコール性肝繊維症アルコール性脂肪肝がさらに進行した状態で肝細胞の中心や周辺の静脈に細い繊維ができる
アルコール性肝炎アルコールが原因で肝臓に炎症を起こし、肝機能異常と白血球の増加が見られる
アルコール性肝硬変アルコール性肝炎がさらに進行した状態で肝臓の血液循環が悪くなり腹水がたまったり、食道静脈瘤が出来たりする
肝臓がん肝臓に発生した悪性腫瘍の総称

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ肝臓がんとなっても自覚症状は少ないため、アルコール性脂肪肝などの段階で健康診断において早期にアルコール性肝障害を発見することが大切だと言えるでしょう。

アルコール性脂肪肝についても詳細を知りたい人は、次の記事もご覧ください。

アルコール性肝障害の診断基準

国立研究開発法人国立国際医療研究センター 肝炎情報センターでは、アルコール性肝障害と診断するには次の3つのことが必要としています。

・肝機能異常の評価
・飲酒歴の確認
・アルコール以外の原因による肝障害の除外

3つのうち飲酒歴の聴収はとても重要で、患者本人は飲酒量を少なく申告する傾向にあるため、客観的な飲酒量を調べるために家族、友人、職場の人などにも聴収を行うのです。

そして次の診断基準に当てはまった場合アルコール性肝障害と診断されます。

・5年以上の長期にわたり1日平均純エタノール60g以上の飲酒(女性やALDH2活性欠損者では、1日40g程度の飲酒)をしている
・禁酒すると血清AST、ALTおよびγ−GTP値が明らかに改善する
・肝炎ウイルスマーカー、抗ミトコンドリア抗体、抗核抗体が全て陰性である

またアルコールには依存性がありアルコール依存症は精神神経疾患に分類されるため、こちらの診断・治療は精神科や心療内科で行われます。

参考:国立研究開発法人国立国際医療研究センター 肝炎情報センター「アルコール性肝障害」
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「アルコール依存症」

アルコール性肝障害とアルコール依存症の関係について

肝障害

前項目でアルコール依存症について触れましたが、アルコール性肝障害とアルコール依存症との関係はどのようなものなのでしょうか。

アルコール依存症とは、長期にわたり大量の飲酒を繰り返した結果、以前は大きな価値を持っていた行動(仕事、 家庭、趣味など)よりも飲酒を優先させてしまう状態を指します。

アルコール依存症に陥ると強い飲酒欲求(渇望)が生じ飲酒のコントロールが困難となったり、飲酒で悪化している心身の障害があるにもかかわらずお酒を飲むことをやめられなくなり、終日飲酒・酩酊が続いたりします。

またアルコールに耐性ができるためお酒に強くなり、飲酒後に手指や体幹の振戦、発汗などのアルコール離脱が起こる場合もあるでしょう。

このことからアルコール依存症となり、飲酒で悪化する心身の障害の1つにアルコール性肝障害があるのがわかります。

アルコール性肝疾患について

飲酒で悪化する心身の障害の総称をアルコール性肝疾患と言いますが、厚生労働省が行った患者調査によると、アルコール性肝疾患の総患者数は1996年の5.9万人から、2017年には3.7万人に減少していますが、アルコール性肝硬変は、1996年の4千人から、2017年には1.4万人へと増加しています。 

また厚生労働省が行った人口動態統計によれば、肝疾患全体の死亡数は減少傾向にありますが、アルコール性肝疾患の死亡数は、1996年の2,403人から、2019年には5,480人と増加しており、そのうち約8割がアルコール性肝硬変です。

日本では重症例と治療困難例しかアルコール依存症と診断されていませんが、アルコール依存症の重症化を避け、アルコール性肝障害のようなアルコール肝疾患の進展・重症化を予防するためにも早期発見・早期治療をすることが大切です。

参考:厚生労働省「患者調査」
参考:厚生労働省「人口動態調査」

アルコール性肝障害を予防するには?

アルコール性肝障害を予防するには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
3つご紹介します。

適切な飲酒量を理解する

2019年に厚生労働省が行った「令和元年国民健康・栄養調査」の結果では、アルコール性肝障害の診断基準における1日平均純エタノール60g以上の飲酒に該当する、1日日本酒2合以上の飲酒をしている人が27.8%でした。

このことからアルコール性肝障害を予防するには、まず適切な飲酒量を理解することが大切だとわかります。

参考:厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」

お酒に含まれているアルコールの量

休肝日を作る

同じく「令和元年国民健康・栄養調査」の結果では、毎日飲酒する人が18.1%でした。

しかしアルコール性肝障害を予防するためには、週に2日は肝臓を休ませる「休肝日」を設け、肝臓の機能を回復させるのが望ましいでしょう。

おつまみを上手に取る

空腹状態で飲酒をすると、アルコールの吸収が早まり肝臓への負荷が大きくなるため、悪酔いや二日酔いを引き起こしてしまう可能性が高くなります。

悪酔いや二日酔いを予防できるおつまみを表にまとめてみました。

おつまみの種類概要
胃での吸収時間が長いため、アルコールの血中濃度が急に上がるのを防ぐ
しじみ二日酔いの原因となるアセトアルデヒドの分解を助けるオルニチンや肝臓の働きを強化するタウリンを豊富に含む
メチオニンが肝臓の毒素や老廃物の排出を助ける
梅干しクエン酸が肝機能を改善し胃もたれを解消する
ウコンクルクミンとビサクロンが肝機能を向上させる

アルコール性肝障害を予防するためにも、肝臓の働きを助け悪酔いや二日酔いを防止するおつまみを積極的に取るようにしましょう。

こんな症状があったら当クリニックへご相談ください

アルコール性肝障害は初期には無症状であることが多いのですが、進行すると食欲不振、黄疸、意識障害、吐血などの症状が現れます。

健康診断などで早期に発見するのが治療にすぐ取り組めるので望ましいのですが、上記のような症状が現れた段階でも早急に当クリニックや肝臓を専門に扱うクリニックへ受診してほしいのです。

多聞内科クリニックでは診療科目に健康診断で肝機能障害や脂肪肝を指摘された方、またお酒で体調の良くない方向けに肝臓内科という専門の診療科目があり、日本肝臓学会の専門医であることを活かした治療を行うことができます。

当クリニックでは毎日飲酒をしている人、自分をアルコール依存症ではないかと感じている人ほど、継続的な医療支援を行い、職員全員が一丸となってサポートすることが大切だと考えています。
またアルコール依存症の方は、状況に応じて精神科や心療内科をご紹介します。

健康診断で気になる数値が出たり、少しでも身体の異変を感じたりしたら、すぐにご相談ください。

まとめ

アルコール性肝障害とは長期にわたり過剰な飲酒を続けることで肝臓に起こる障害の総称で、予防するには適切な飲酒量を知って休肝日を作り、肝臓を労わることが大切だと言えるでしょう。

この記事も参考にして、ぜひアルコール性肝障害についての理解を深めてみてください。

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