膵臓が悪いと背中が痛くなるのはなぜ?早期に見分けて対処する方法
背中の痛みが続いているのでインターネットで検索してみたら、膵臓の病気を疑った方がよいとの情報が出てきて、どうすればよいか困っている人はいませんか?
この記事では、脾臓の主な病気の種類から治療方法まで詳しく解説します。
目次
膵臓が悪化すると発症する主な病気
膵臓には、外分泌機能(消化酵素を分泌して食べ物の消化を促し栄養素の吸収を助ける機能)と内分泌機能(インスリンやグルカゴンなどのホルモンを分泌して血液中の糖分を調節する機能)の働きがあります。
膵臓の病気には複数のタイプが存在するので、以下の原因や症状に心当たりがないかを確認してみましょう。
病名 | 原因 | 症状 | 主な治療方法 |
膵臓がん | 生活習慣病 ・膵管内乳頭粘液性腫瘍だった人や血縁者に膵臓がんの人がいる場合はリスクが高まる | ・食欲不振 ・腹痛 ・お腹の張り ・腰や背中の痛み ・黄疸 | ・手術 ・化学療法 |
膵管内乳頭粘液性腫瘍(すいかんないにゅうとうねんえきせいしゅよう=IPMN) | ・不明な場合が多い | ・無症状が多い ・膵炎に伴う症状は上腹部の痛み、食欲不振、吐き気、嘔吐、発熱、疲れやすくなるなど | ・手術 |
急性膵炎 | ・飲酒 ・胆石 | ・上腹部の激痛 ・背中の痛み ・吐き気 ・嘔吐 ・発熱 | ・軽症なら食事療法 ・重症なら輸液 ・呼吸や腎臓機能が悪化していれば集中治療室(ICU)での管理 |
自己免疫性膵炎 | ・免疫の異常 | ・腹痛 ・背中の痛み ・黄疸 ・体重減少 ・食欲不振 ・全身のだるさ | ・ステロイドの内服 |
膵嚢胞・膵嚢胞性腫瘍(すいのうほう・すいのうほうせいしゅよう) | ・膵炎による炎症の刺激によって発生する場合と刺激に関係なく発生する場合がある | ・サイズが小さいと自覚症状があまりない ・サイズが大きいと腹痛、背中の痛み、お腹の張り、細菌感染など | ・がん化する危険がある場合は手術 |
慢性膵炎・膵石症(すいせきしょう) | ・飲酒 | ・腹痛 ・背中の痛み ・食欲不振 ・下痢 | ・飲酒をやめる ・禁煙 ・鎮痛薬、消化酵素薬、たんぱく分解酵素阻害薬の内服 ・手術 |
膵臓病の多くが飲酒や暴飲暴食など、生活習慣病が原因となって引き起こされます。
膵臓の機能低下が原因で背中が痛くなる理由
膵臓は胃の裏側の、背中に近い位置にあります。
また、膵臓の後部には内臓の痛みを伝える神経が集まっている腹腔神経叢(ふくくうしんけいそう)があります。以上のことから、膵臓が大きなダメージを受けたり機能が低下したりすると、症状として背中の痛みが起こりやすくなるのです。
膵臓病の主な症状
膵臓病は、沈黙の臓器と呼ばれているほど、自覚症状が出ないことで有名な臓器です。自覚症状を確認したタイミングでは、すでに症状が大きく進んでいることも珍しくありません。
手遅れになる前に早期発見できるよう、ぜひ以下で膵臓病の主な症状を確認してください。
背中の痛みや腹部の痛み
膵臓病の多くは、背中の痛みや腹痛の症状が現れます。
膵臓病による背中の痛みについては、具体的な痛み方が現れるわけではありません。また、背中の痛みがある場合でも、必ずしも膵臓病とは限らないため、自己判断をしないで受診することが大切です。
また、急性膵炎・膵仮性嚢胞が原因による腹痛の場合では、上腹部に激痛が現れます。こちらも痛みの感じ方には個人差があることと、他の膵臓病でも腹痛が起こる場合もあるため、自己判断は避けて専門医で受診しましょう。
黄疸
黄疸とは、血液中のビリルビンという物質が増加して沈着するのが原因で、白目や皮膚が黄色くなる症状です。
黄疸は一般的に、肝臓病による症状というイメージを持たれています。しかし、膵臓がんが胆管を圧迫することで、ビリルビンを成分に持つ胆汁の流れが悪くなり、血液中に漏れ出し黄疸を引き起こすのです。
体重減少や食欲低下
膵臓病は食欲不振や、それによる体重減少の症状も引き起こします。
膵臓には、消化酵素を分泌して食べ物の消化を促し、栄養素の吸収を助ける働きがあります。膵臓病によってこの働きが悪くなると、食欲不振やそれによる体重減少が引き起こされるので、十分に注意しましょう。
膵臓病が原因で背中が痛くなった際の対処法
膵臓病が原因で背中に痛みが現れた場合、無理をせずに、早急に専門医やクリニックに相談してください。
当クリニックでも、消化器内科の診断・相談を行っているので、背中の痛みや腹痛で悩まれている方からのご連絡をお待ちしております。
消化器内科 | 高崎市の多聞内科クリニック (tamon-naika.com)
膵臓病を発症している場合は手術療法や薬物療法
受診して何らかの膵臓病と診断を受けた場合は、その病気の進行状況に応じて医師と相談のうえ、手術療法や薬物療法を行いましょう。
例えば、比較的最近になって発見された自己免疫性膵炎も、ステロイドの内服が有効な場合があるとわかっています。以前は手術以外に有効な治療方法がなかった膵臓がんも、近年では抗がん剤治療をしてから手術を行う治療方法が確立されてきました。
背中の痛みで受診したら、膵臓病だったことが発覚した場合でも、前向きに治療に取り組み、健康を取り戻すことをおすすめします。
軽症の場合は暴飲暴食を避けて食生活を改善
膵臓病でも軽症の場合は、管理栄養士の栄養指導を受けて食生活の改善をし、経過観察となることもあるでしょう。
管理栄養士から正しい栄養の知識を教えてもらいながら、今までの飲酒、食事の習慣を少しずつ見直していくことで症状が改善する可能性が高まります。また、生活習慣を見直すことによって膵臓病の症状が改善される以外にも、そのほかの生活習慣病の予防にもつながります。
膵臓が原因で背中に痛みがある方は多聞内科クリニックへご相談ください
背中の痛みを引き起こす膵臓の病気には、膵臓がん、急性膵炎、自己免疫性膵炎などのさまざまな種類があります。早期に受診して、適切な治療を受けることで回復につながりやすくなります。
多聞内科クリニックでは、膵臓病や肝臓病などを専門とする消化器内科・肝臓内科を完備しています。背中の痛み以外に、以下の症状があった際には、遠慮なくご相談ください。
・胃の痛み、胃もたれ
・胸やけ
・呑酸、げっぷ、吐き気
・お腹の張り、腹痛
・のどのつかえ、のどの違和感
・食欲低下、体重減少
当クリニックは完全予約制ではありませんが、予約をすることでスムーズに受診できます。
事前に電話・Web予約をすると、体調が悪い際でもすぐに受診して、すぐに帰ることが可能です。お時間に余裕がある場合は、予約を済ませてから来院いただくことをおすすめしております。
今回の記事を参考にしていただき、背中の痛みがある場合は自己判断せず、すぐに専門医・クリニックへ相談しましょう。