脂肪肝について原因や症状をご紹介
健康診断を受けたら肝機能障害で脂肪肝の可能性もあると言われたので、詳しく検査できるクリニックがないかと探しているけれど、どんな病気かわからず不安な人はいませんか?
この記事では脂肪肝について、治療方法など詳しくご紹介します。
目次
脂肪肝とは?
脂肪肝とは肝臓に中性脂肪(体脂肪の大部分を占めて重要なエネルギー源となるが取り過ぎると肥満を招く)や余分な栄養が蓄積し、正常な肝臓のうち5%以上の脂肪が蓄積した状態を指します。
健康診断では次の数値が基準値以内であれば問題はないとされ、理想値以内であれば脂肪肝が予防できるとしています。
数値の 種類 | 概要 | 基準値 | 理想値 |
ALT(GPT) | 肝臓に多く含まれる酵素 | 10~30U/L | 5~16U/L |
AST(GOT) | 肝臓や筋肉に多く含まれる酵素 | 10~30U/L | 5~16U/L |
γ-GTP | 肝臓に含まれるアルコールの影響を受けやすい酵素 | 男性79U/L以下 女性48U/L以下 | 男性10~50U/L 女性10~30U/L |
脂肪肝の原因
脂肪肝はその原因によってアルコール性、非アルコール性の2つに大きく分類することができるので、それぞれご紹介します。
アルコール性脂肪肝
アルコール性脂肪肝とはアルコールが原因の脂肪肝を指します。
アルコールの代謝のほとんどは肝臓で行われるため、代謝の過程や肝臓の働きに異常があることで脂肪がたまっていき、アルコール性脂肪肝を引き起こすのです。脂肪肝自体が炎症を起こすとアルコール性脂肪肝炎(ASH)となります。
非アルコール性脂肪肝
非アルコール性脂肪肝とはアルコールが原因ではない脂肪肝を指します。
肥満、糖尿病、脂質異常症(高脂血症)などによりインスリン(膵臓で作られるホルモンで血糖値を下げる役割がある)の働きがにぶくなり、非アルコール性脂肪肝を引き起こすのです。脂肪肝自体が炎症を起こすと、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)となります。
脂肪肝の症状
脂肪肝に特徴的な症状はありません。アルコール以外でも栄養障害や代謝障害、妊娠など様々な原因があります。
◎栄養障害
-肥満、低栄養(サルコペニア)
◎代謝障害
-糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症など
◎薬剤
-ステロイド、抗菌薬、抗エストロゲン薬、抗不整脈薬、免疫抑制薬など
◎内分泌疾患、甲状腺疾患、クッシング症候群など
◎妊娠
◎手術後
脂肪肝は長年にわたり無症状のことがありますが、進行すると非アルコール性脂肪肝炎(NASH)やアルコール性肝炎(ASH)が発症し、更に進行すると肝硬変になり、肝癌の発症のリスクが高くなってしまいますので早めに対策することが重要です。
症状があっても軽度である場合がほとんどなので、健康診断や人間ドッグで肝機能の異常値が出て気が付くということがほとんどです。しかし、進行しすることで様々なリスクが出てしまうので早めの対策が必要となりますので、異常値が出た場合は必ず専門医への診察を受けるようにしてください。
脂肪肝の治療と診療科目
脂肪肝の可能性がある場合、どの診療科目へ行って診断を受け、どんな治療を受ければよいのでしょうか。脂肪肝は内科や消化器内科に受診して診断を受け、次の3つの治療を行います。
治療方法について説明します。
非アルコール性脂肪肝の治療
食事療法
非アルコール性脂肪肝の食事療法においては、次のような治療が行われます。
·飲酒を控える、または禁酒する(アルコールが原因の場合)
·エネルギー摂取量を適正化する
-標準体重1kgあたり1日30kcal
·炭水化物や脂質を制限する場合もある
-脂肪抑制1日40~50g以下・タンパク質1kgあたり1日1g
これらは体重を減少させることを目的として行われ、7%~10%体重が減少すると脂肪肝の組織学的な改善が期待できます。
運動療法
脂肪肝の運動療法においては、次のような治療が行われます。
·運動の習慣を作りそれを継続する
·有酸素運動を行う
-体重減少を伴わなくても脂肪肝が改善します ※1/※2
·レジスタンス運動(筋肉に負荷をかける動きを繰り返す運動)を行う
-有酸素運動よりエネルギー消費量が低いにも関わらず脂肪化を改善する報告があります。※3
これらは肝脂肪化の改善を目的として行われ、食事療法を並行して行うとより効果的です。
<参考文献>
※1 van der Heijden GJ, Wang ZJ, Chu ZD, et al. A 12-week aerobic exercise program reduces hepatic fat accu-mulation and insulin resistance in obese, Hispanic adolescents. Obesity(Silver Spring) 2010; 18: 384-390 (ケースコントロール)
※2 Johnson NA, Sachinwalla T, Walton DW, et al. Aerobic exercise training reduces hepatic and visceral lipids in obese individuals without weight loss. Hepatology 2009; 50: 1105-1112(ランダム)
※3 Hashida R, Kawaguchi T, Bekki M, et al. Aerobic vs. resistance exercise in non-alcoholic fatty liver disease: A systematic review. J Hepatol 2017; 66 : 142-152(メタ)
薬物療法
脂肪肝の薬物療法においては、次のような薬が用いられます。(主にNASH)
·ビタミンE(非アルコール性脂肪肝炎の場合)
·糖尿病治療薬(非アルコール性脂肪肝炎と糖尿病が合併した場合)
·脂質異常症改善薬(脂質異常症を合併した場合)
·降圧薬(高血圧症を合併した場合)
この中でビタミンEは脂肪肝で服薬する場合保険が適用されないので注意が必要です。
アルコール性脂肪肝の治療
アルコール性脂肪肝はアルコールが原因のため、飲酒を控える、または禁酒する治療となります。
脂肪肝の治療を高崎で希望される方は当クリニックへご相談ください
脂肪肝とは肝臓に中性脂肪や余分な栄養が蓄積し、正常な肝臓のうち5%以上脂肪が蓄積した状態を指しますが、健康診断や人間ドッグで早期に発見し、適切な食事療法、運動療法、薬物療法などを行うことで改善が見込まれます。
気になる症状を感じたら、ぜひ早めに受診することを心がけてみてください。
群馬県高崎市で脂肪肝の治療を希望される方は、多聞内科クリニックへご相談ください。
多聞内科クリニックの診療科目には内科、消化器内科はもちろんですが、健康診断で肝機能障害や脂肪肝を指摘された方、またお酒で体調の良くない方向けに肝臓内科があるのです。
上記の脂肪肝の症状が心配な方、脂肪肝を指摘された方はもちろん、次のような症状が気にかかる場合も受診を検討してみてください。
·倦怠感がある
·黄疸(身体が黄色くなる)がある
·むくみがひどい
·メタボリックシンドロームが気になる
多聞内科クリニックでは、「患者さんが、自分、もしくは自分の家族であった場合、どのような検査や治療をしていくか。」を治療方針として診察に取り組んでいます。
これは適切な診療をすることで患者の皆さまに安心していただきたいからだけではなく、家族、友人、知人に自信を持って紹介できるクリニックでありたいという想いからです。
病気のことだけではなく、気になる症状や健康上の悩みごともお気軽にご相談ください。