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肝炎とはどんな病気?原因から症状、治療方法まで詳しく解説

肝炎診察イメージ

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるため肝炎と聞くととても怖い病気に感じるけれど、何が原因で起こるのかや症状まではよく知らないという人も多いでしょう。
この記事では肝炎の原因から症状、治療方法まで詳しく解説します。

肝炎とは?

肝炎にはいくつかの種類があるため、特徴を表にまとめてみました。
ウィルス性肝炎とは肝細胞と結合しやすい肝炎ウイルスによって引き起こされる肝障害のことを指します。
まずはウイルス性の肝炎です。

肝炎の種類主な感染経路潜伏期間感染様式予防法進展
A型肝炎(HAV)貝類などからの経口感染2~6週間・一過性
・終生免疫獲得のためほとんど悪化しない
・HAワクチン・急性肝不全(劇症肝炎)
B型肝炎(HBV)血液感染(針刺し事故、薬物中毒)性感染、母子感染)1~6ヶ月・一過性>持続性
・慢性肝炎は主に無症候性キャリア(母子感染、乳幼児感染)から発症
・HBワクチン
・抗HBsヒト免疫グロブリン
・慢性肝炎
・肝硬変
・肝細胞癌
・急性肝不全(劇症肝炎)
C型肝炎(HCV)血液感染(針刺し事故、注射のまわし射ち)2週間~6ヶ月・持続性>一過性
・成人の初感染からも容易に慢性化する
・無し・慢性肝炎
・肝硬変
・肝細胞癌
・急性肝不全(劇症肝炎)
D型肝炎(HDV)HBVと同様1~6ヶ月・B型肝炎と重複感染する
・日本ではあまり見かけない
・HBワクチン・慢性肝炎
・肝硬変
・肝細胞癌
・急性肝不全(劇症肝炎)
E型肝炎(HEV)経口感染(猪、鹿、豚、ジビエなど)人畜共通感染症)2~9週間・一過性・なし・妊婦では急性肝不全

次はウイルス性ではない肝炎です。

肝炎の種類(ウイルス以外が原因の肝炎)主な原因症状の特徴ワクチンによる予防
薬物性肝障害による非アルコール性脂肪肝炎医薬品やサプリメントの服用・多くは原因物質の医薬品やサプリメントの服用を中止することで良くなるなし
アルコール性肝炎飲酒・アルコール性脂肪肝→アルコール性肝炎→アルコール性肝硬変と進行する
・アルコール性肝硬変になるまで目立った症状はない
なし
自己免疫性肝炎免疫システムの異常・厚生労働省が指定する指定難病95
・中年以上の女性に多い
・発症がゆっくりで自覚症状も軽い
なし
原発性胆汁性胆管炎中年・多くは無症状
・黄疸に移行する皮膚掻痒感
なし
伝染性単核球症・サイトメガロウイルス感染症など唾液を介して感染・伝染性単核球症は乳幼児では不顕性感染が多いがそれ以降は発熱、咽喉痛、リンパ説の腫れを引き起こす
・サイトメガロウイルス感染症は長期間の発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛などを引き起こす
なし
肝炎の種類(他のウイルスによる肝炎)主な原因症状の特徴ワクチンによる予防
伝染性単核球症・サイトメガロウイルス感染症など唾液を介して感染・伝染性単核球症は乳幼児では不顕性感染が多いがそれ以降は発熱、咽喉痛、リンパ説の腫れを引き起こす
・サイトメガロウイルス感染症は長期間の発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛などを引き起こす
なし

どの肝炎においても最初は自覚症状があまりないため、早めに検査で発見し治療に取り組むことが大切だとわかります。

日本における肝炎の現状

2020年10月に厚生労働省が行った「令和2年患者調査」の結果によると、ウイルス性肝炎で入院した人は5,000人、外来を受診した人は9万3千人という結果でした。
一方2017年に厚生労働省が行った肝炎検査受検状況実態把握調査の結果によると、B型肝炎の検査を受けた人の割合は71.0%、C型肝炎の検査を受けた人の割合は61.6%だったため、30%~40%程度の人はもし肝炎にかかっていたとしてもそれがわからず、治療も受けていない状態ということになるのです。

しかし検査を受けなかった人でその理由を「きっかけがなかったから」と回答した人が38.2%、「定期的に受けている健康診断等のメニューにないから」と回答した人が35.3%だったため、今後検査を受ける機会を増やす取り組みが求められるでしょう。

参考:厚生労働省「令和2年(2020)患者調査の概況」
参考:厚生労働省「『知って、肝炎プロジェクト』事務局「日本の肝炎問題の現状」

肝炎の治療

肝炎のウイルス検査で陽性だった場合は、すぐに専門医を受診することが治療の第一歩です。
もし費用の面が心配なら、厚生労働省と都道府県が行っている「肝炎治療特別促進事業」の利用を検討しましょう。
これはB型肝炎とC型肝炎の患者に対して医療費を助成する事業で、適用されれば自己負担限度額が月額最大2万円となります。

対象医療によって助成期間や必要な書類は異なるので、都道府県の肝炎・肝疾患の担当課・係に問い合わせをしてみてください。
また治療の内容をあらかじめ知っておきたい人のため、B型肝炎とC型肝炎の治療の概要をご紹介します。

参考:厚生労働省「肝炎治療特別促進事業」

B型肝炎について

B型肝炎の主な治療方法は次の通りです。

治療方法対象者概要
インターフェロン療法B型慢性肝炎の患者(genotypeA、Bで効果が期待できる)・一定期間継続してインターフェロンを投与する治療方法
・副作用は38度を超える発熱・全身倦怠感・関節痛・筋肉痛などがある
核酸アナログ製剤B型慢性肝炎・核酸アナログ製剤が直接ウイルスに作用して増殖を抑える
・薬を中止すると再びウイルスが増殖するため自己判断で薬を止めてはいけない
肝庇護療法軽度の肝障害を起こしている患者など・ウルソデオキシコール酸やグリチルリチン製剤など

一般社団法人日本肝臓学会のホームページにはB型肝炎治療ガイドラインが掲載されているため、詳細を知りたい人は目を通してみましょう。

C型肝炎について

C型肝炎の主な治療方法は次の通りです。

治療方法対象者概要
インターフェロンフリー(直接作用型抗ウイルス剤)
※DAAs: direct acting antivirals
慢性肝炎や代償性肝硬変の患者・インターフェロンを使わず飲み薬(グレカプレビル・ピブレンタスビル)で治す治療法
・インターフェロンのような副作用が少ない
・高額のため助成金制度の対象
肝庇護療法・ウルソデオキシコール酸、グリチルリチン製剤
など

一般社団法人日本肝臓学会のホームページにはC型肝炎治療ガイドラインも掲載されているため、詳細を知りたい人は目を通してみましょう。

参考:一般社団法人日本肝臓学会「日本肝臓学会ガイドライン」

気になる症状があれば、まずは多聞内科クリニックの肝臓内科へご相談ください

多聞内科クリニックでは、次のような症状があった場合受診をおすすめしています。

・だるさ
・倦怠感
・高脂血症
・高尿酸血症
・黄疸
・むくみ
・肥満症

前の項目でもご紹介した通り、どの肝炎にも初期症状があまりないためわかりにくいのですが、治療に早く取り組み健康を取り戻してほしいと考えているためです。

多聞内科クリニックに受診していただければ肝臓内科という肝臓専門の診療科目で、日本肝臓学会の専門医であることを活かした治療を受けることも可能です。

気になる症状がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ

肝炎とは肝臓の細胞か壊れ炎症を引き起こした状態のことを指しますが、もし検査を受けて陽性だった場合は早めに受診することが望ましいと言えるでしょう。

この記事も参考にして、ぜひ肝炎についての理解を深めてみてください。

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当院は完全予約制ではございません。
ご予約なしでも受診頂けますが、事前にご予約頂けますと比較的スムーズに受診が可能です。

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