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睡眠時無呼吸症候群は治療できる?マウスピースやCPAPを解説

睡眠

家族から寝ている時のいびきの音を聴かれ、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるので治療のためマウスピースをつけてみたらと勧められたけれど、効果があるかわからないので戸惑っているという人はいませんか?

この記事では、睡眠時無呼吸症候群の症状から治療方法まで詳しく解説します。

睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸症候群は寝ると呼吸が止まり、過眠や高血圧などを引き起こす病気です。

呼吸が止まると血中酸素濃度が低くなるため、目が覚めてまた呼吸を始めますが、寝るとまた呼吸が止まり、これを一晩中繰り返します。

睡眠時無呼吸症候群を「睡眠時の呼吸異常+昼間の過度の眠気」と定義すると、有病率は50代の男性で10%~20%、女性で10%弱とされます。

睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気なのかを種類、症状、原因の3つの観点からもう少し詳しく見ていきましょう。

参考:一般社団法人日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン」

種類

睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome=SAS)は次の3種類にわけられます。

睡眠時無呼吸症候群の種類概要
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome=OSAS)・空気の通り道となる上気道が狭くなったりふさがれたりして起こる。
・寝ている時に激しくいびきをかく。
中枢型睡眠時無呼吸症候群(Central Sleep Apnea Syndrome=CSAS)・中枢神経に障がいがあるため脳の呼吸中枢で呼吸抑制が起きたり、脳から呼吸をする指令が出なかったりする。
・呼吸が10秒以上止まる「無呼吸」や止まりそうなほど弱い「低呼吸」が起こる。
混合型睡眠時無呼吸症候群・閉塞性睡眠時無呼吸症候群と中枢型睡眠時無呼吸症候群の症状が両方見受けられる。

睡眠時無呼吸症候群の種類によって、原因や症状は異なるのを覚えておきましょう。

参考:ResMed「睡眠時無呼吸の種類」

症状

睡眠時無呼吸症候群の症状は次の通りです。

項目概要
起床時・口がかわく
・頭痛
・熟睡した感じがしない
・すっきりと目覚められない
・身体が重い
・疲れが取れていない
昼間・強い眠気がある
・だるさや倦怠感がある
・集中が途切れる
・注意力や記憶力が下がる
・気分が落ち込みやすい
・常に疲労感がある
睡眠時・いびきをかく
・いびきが止まり大きな呼吸とともに再度いびきをかく
・呼吸が止まる
・呼吸が乱れる
・息苦しさを感じる
・むせる
・何度も目が覚める(トイレに行く)
・寝汗をかく
・激しく寝返りを打つ

閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、ほぼ睡眠時にいびきが見られますが、中枢型睡眠時無呼吸症候群では上気道が狭くなったりふさがれたりしていないため、いびきが見られないのが特徴的と言えるでしょう。

原因

睡眠時無呼吸症候群の原因は次の4つです。

  • 肥満
  • 下あごが小さい、歯並びが良くないなどの骨格の問題
  • 睡眠中の姿勢
  • 呼吸中枢の異常

睡眠時無呼吸症候群の治療を適切に行うためにも、原因を特定するのが大切です。

マウスピースやCPAPなどの治療方法

睡眠時無呼吸症候群を治療するには、どのような方法があるのでしょうか。

3つご紹介します。

軽度ないびき症状に効果的なマウスピース

軽度な閉塞性睡眠時無呼吸症候群には、マウスピースでの治療が効果的です。

マウスピースはスリープスプリントとも呼ばれ、寝ている間にあごが下がって上気道がふさがるのを予防するため就寝時に着けます。

装着にあまり手間がかからないのがメリットですが、保健適用となるかどうかはマウスピースの種類によって異なるため医師に相談しましょう。

睡眠時の無呼吸状態を治療するならCPAP(シーパップ)

日中の眠気が強い時や中等症~重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群の場合は、経鼻的持続陽圧呼吸療法(Continuous Positive Airway Pressure=CPAP)での治療が効果的です。

睡眠時にマスクを着け、装置からエアチューブを通して空気を送り気道がふさがるのを防ぎます。

バッグに入れて持ち歩きができるので、出張先や外泊時でも治療を行えるのがメリットですが、厳密な適応基準が設けられているため定期的な外来受診が必要です。

扁桃炎にも悩まされている場合は扁桃摘出手術

睡眠時無呼吸症候群の原因がアデノイドや扁桃炎の場合は扁桃摘出手術が有効です。

肥大したアデノイドや扁桃を手術で取り除くことで、上気道がふさがるのを防ぎます。

アデノイドや扁桃炎が原因で、マウスピースやCPAPでは治療の効果が見られない場合、手術をすることとなるでしょう。

睡眠時無呼吸症候群の検査方法

睡眠時無呼吸症候群の検査には、次の2つの検査方法があります。

検査方法概要
簡易検査・自宅でも取扱い可能な機器を用いて検査する方法・指にパルスオキシメトリーを装着して無呼吸による低酸素状態を調べる検査と、鼻に呼吸センサーを装着して気流やいびきを調べる検査がある・検査の内容によって費用が異なる
精密検査・終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)と言い、医療機関に1泊入院して睡眠と呼吸の質を調べる。
・検査項目の例
 ・口と鼻の気流(空気の流れ)
 ・血中酸素飽和度(SpO2
 ・胸部・腹部の換気運動
 ・筋電図
 ・眼電図
 ・脳波
 ・心電図
 ・いびきの音睡眠時の姿勢

精密検査では多くのセンサーをつけますが、痛みはなく、いつも通りに寝ている間に検査が終わります。

予防方法

睡眠時無呼吸症候群を予防するためには、次のようなことに気をつけましょう。

  • 肥満にならないように気を付ける
  • 過度な飲酒や寝酒は控える
  • 禁煙する
  • 口呼吸をしている場合鼻呼吸をするよう気を付ける
  • 睡眠薬を服用している場合医師に相談の上服用する
  • 横向きの姿勢で寝る
  • 枕の形を見直す

規則正しい生活と運動を心がけ、呼吸をさまたげにくい環境で睡眠を取ることが大切です。

注意すべき合併症

睡眠時無呼吸症候群では慢性的な睡眠不足や睡眠の質の低下により、次のような生活習慣病関連の合併症が見られます。

合併症の種類割合
高血圧・閉塞性睡眠時無呼吸症候群の患者の約50%
糖尿病・2型糖尿病患者の65%が閉塞性睡眠時無呼吸症候群
狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患・閉塞性睡眠時無呼吸症候群の患者の約35%~40%

睡眠時無呼吸症候群により、どうしてこのような合併症が引き起こされるのかはわかっていませんが、気になる症状があれば早めに受診しましょう。

参考:一般社団法人日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン」

参考:慶応義塾大学病院医療・健康情報サイト「睡眠時無呼吸症候群」

睡眠時無呼吸症候群にお悩みの場合は多聞内科クリニックでも診断できます

多聞内科クリニックの内科では、睡眠時無呼吸症候群の検査と治療を行っています。

気になる合併症の1つである高血圧の治療や、お酒をやめられない人のご相談もお受けしているので、治療するなら徹底的に治したいと考えている方にぴったりです。

一方、眠りが浅く疲れが取れないなどの気になる症状がある方も、ぜひ症状が重くならないうちにご相談ください。

内科診療|高崎市の多聞内科クリニック (tamon-naika.com)

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