内科はどんなときに受診すればいい?疑わしい症状の種類一覧もご紹介
体調が良くない状態なので受診しようとは考えているものの、何科に行けばいいかわからない時はありませんか?
この記事では、内科とはどんな症状がある時に行けばよいのかを詳しく解説します。
目次
内科とは?
内科とは身体の疾患に対応する診療科で、治療では主に食事、運動、薬物療法を行います。
内科医が日常診療でよく遭遇する疾患、有病率の高い疾患である病気を、コモンディジーズと言います。
本ではコモンディジーズを「訴え」と「疾患」の2つの観点から紹介していますが、この2つがどのようなものか知っておくと内科にどんなとき受診すればよいかがわかりやすいでしょう。
項目 | 概要 |
訴え | 頭痛 / めまい / 発熱 / 咳 / 腹痛 / 腰背部痛 / 関節痛 / しびれ(感覚障害) / 倦怠感(疲労感) / 不眠 / 悪心・嘔吐 / 下痢 / 便秘 / 呼吸困難(息苦しさ)など |
疾患 | かぜ症候群(急性気道感染症) / 感染性胃腸炎 / 高血圧症 / 糖尿病 / 不整脈 / 貧血 / 熱中症 / 胃潰瘍・十二指腸潰瘍 / 脳梗塞 / 胃癌 / 肺癌など |
コモンディジーズについては、身体や心の不調があったり何かがおかしいと感じたり、体調が悪い時にかかるべき医療の基本と考えています。
医学部で学ぶ科目は、まず内科をベースに学習。その後、外科やマイナー科と呼ばれる眼科や耳鼻科、皮膚科の内容を学びます。
すべての医療の基本になっているからこそ体の不調があったときの「診療の一丁目一番地」として、当クリニックではコモンディジーズを重視しています。
参考:多聞内科クリニック「当院の紹介」
参考:一般社団法人日本内科学会「コモンディジーズブック」
内科を受診した方がよい症状の種類一覧
内科を受診した方がよい症状を4つご紹介します。
風邪症候群の疑いがある症状
次のような鼻、のど、全身に関する症状がある場合は風邪症候群の疑いがあるため内科を受診しましょう。
風邪症候群は急性上気道感染症、急性下気道感染症を含む急性気道感染症と同義の言葉としてよく用いられます。
症状がある部位 | 症状 |
鼻 | ・鼻汁 ・鼻の閉塞感 ・くしゃみ |
咽喉頭 | ・のどの痛み ・声がかすれる ・せきが出る ・たんが出る ・喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音) |
全身 | ・発熱 ・だるい ・頭痛 ・関節痛 ・消化器症状 |
風邪症候群は内科の外来で最も多く見られる疾患で、症状は感染後1日後~3日後に現れ、おおむね4日~10日でおさまりますが、せきは2週間ほど経過しても続く場合があります。
また風邪の原因となるウイルスには、主に次のようなものがあります。
ウイルス名 | 特徴 |
ライノウイルス | ・風邪の原因となる代表的なウイルス ・春と秋に感染する人が多い ・乳幼児、子供の感染が多い |
コロナウイルス | ・HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1などの様々なウイルス型がある ・冬に流行しほとんどの子供が6才までに感染を経験する ・軽い症状しか引き起こさない |
新型コロナウイルス | ・「新型」は未知のものという意味ではなく既存のウイルス科の分類に属する新しい病原体という意味 ・風邪のような症状を引き起こすが肺炎などの重篤な症状も起こりうる ・今後人類に定着して蔓延すると予想されている |
インフルエンザウイルス | ・インフルエンザを引き起こすウイルス ・抗原性の違いでA型、B型、C型、D型にわけられる ・ワクチン接種、手洗い、煮沸消毒などが感染予防に有効 |
パラインフルエンザウイルス | ・1型、2型、3型、4型に分類され、1型と2型は秋に流行、3型は風土病で1才未満の子供に感染しやすい ・反復して感染するが再感染時は一般的に軽症となる |
アデノウイルス | ・感染すると扁桃腺やリンパ節の中で増える ・感染経路は便、飛沫、直接接触なので塩素消毒、手袋、マスクなどが有効 ・肺炎、脳炎、プール熱、結膜炎などさまざまな症状を引き起こす |
コクサッキーウイルス | ・A群とB群の2つにわかれ両方とも夏風邪、ウイルス性髄膜炎などを引き起こす ・感染経路は便、飛沫なので手洗い、手袋、マスクなどが有効 |
ヒトメタニューモウイルス | ・乳幼児の気管支炎の原因となる ・一度の感染では十分な免疫を獲得できないため何度も感染する ・飛沫、接触感染するため感染予防が難しい |
エンテロウイルス | ・腸管内で増殖するウイルスの総称 ・無症状の人も多いが風邪やインフルエンザのような症状がおこる場合もある ・一度感染すると免疫ができる |
ウイルスを予防するためには基本的な手洗いやうがいを徹底することが大切ですが、厚生労働省がホームページで発信している「一般的な感染症対策について」の資料にも一度目を通しておくとよいでしょう。
内科を受診すると、次のような治療が行われることが多いです。
治療の種類 | 概要 |
薬物治療 | ・鼻の症状を抑える対症療法 ・解熱剤の処方 ・各症状に対する処方 ・鎮咳薬(咳止めの薬)の処方 ・去痰薬(たんを切る薬)の処方 |
安静 | ・身体を横たえることで消費エネルギーを少なくする |
風邪と診断されたら他の人にうつさないよう、なるべく外出を控えることが大切です。
参考:NIID国立感染症研究所「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報」
参考:MSDマニュアルプロフェッショナル版「パラインフルエンザウイルス感染症」
扁桃炎の疑いがある症状
次のようなのどに関する症状がある場合は扁桃炎の疑いがあるため内科を受診しましょう。
症状がある部位 | 症状 |
のど | ・ものを飲み込む時の痛み ・話す時の痛み |
耳 | ・痛み |
扁桃 | ・白い斑点が出る ・正常な小さな穴が白い分泌物の固まりで満たされる |
胃 | ・不調 |
頭 | ・痛み |
首 | ・リンパ節の腫れ ・触ると痛む |
鼻 | ・鼻水 ・鼻づまり |
全身 | ・発熱 ・せき |
内科を受診すると、一般的には次のような治療が行われます。
治療の種類 | 概要 |
薬物治療 | ・痛み止めの処方、細菌感染が疑われる場合は抗菌薬の処方 |
(手術) | ・手術による扁桃の摘出 |
扁桃炎を繰り返し、日常生活に支障が生じるようになった場合は扁桃を除去する手術である扁桃摘出術を行うことがあります。
また最近話題のニュースでは、「人食いバクテリア」とも呼ばれる溶連菌が原因となってのどの痛みや発熱などを引き起こし、感染症法でも全数把握疾患と定められている溶連菌性の扁桃炎の患者数が増加していると報じています。
溶連菌は健康な人ののどや皮膚にもいますが、劇症型の感染症になると致死率が30%~70%と高いため、予防として手指消毒やマスクなど基本的な感染症対策をしっかりと行うのが重要です。
参考:MSDマニュアル家庭版「のどの感染症」
参考:Yahoo!ニュース「劇症型溶連菌の感染患者、過去最多の昨年を上回る勢い 毒素多い株も検出」
インフルエンザの疑いがある症状
次のような全身症状や呼吸器の症状がある場合、インフルエンザの疑いがあるため内科を受診しましょう。
症状がある部位 | 症状 |
全身 | ・突然の発熱(38度~39度以上) ・筋肉痛 ・関節痛 ・頭痛 ・だるい |
呼吸器 | ・鼻づまり ・鼻汁 ・のどの痛み ・せきが出る ・たんが出る |
症状は1日間~5日間(平均3日間)の潜伏期間後に、全身症状を主体として現れるケースが主です。
内科に受診すると次のような治療が行われます。
インフルエンザは下記のようなことをすると他の人にも感染させてしまうため、疑いのある症状が出た時点で感染予防を徹底しましょう。
- インフルエンザの人のせきやくしゃみの飛沫を吸い込む
- インフルエンザの人の鼻汁に触れる
- インフルエンザの人が触ったものや分泌物がついたものに触れる
手洗い、うがい、マスクの着用など基本的な感染対策をこまめに行うのが大切です。
新型コロナウイルス感染症の疑いがある症状
次のような症状が見られた場合、新型コロナウイルス感染症の疑いがあるため内科を受診しましょう。
- 発熱
- 空咳
- 呼吸困難
- 身体に力が入らず疲れを感じる
- 鼻水
- のどの痛み
- においや味の感覚がなくなる
- 頭痛
- 吐き気、嘔吐、下痢
内科に受診すると薬物治療として、次のような薬物が使用されることがあります。
これらの薬の使用で「症状の早期改善が期待」されます。
潜伏期間は平均5日~最長14日なのと感染力が強いため、家でも手洗い、うがい、マスクの着用など基本的な感染対策をこまめに行い、症状が気になった場合は早めの受診を心がけましょう。
参考:MSDマニュアル家庭版
参考:メディックメディア「イヤーノート2023外科・内科編」
参考:日経メディカル「処方薬事典」
病院の何科に行けばわからない時の相談先は?
受診した方がよいのはわかっているけれど、病院の何科に行けばよいかわからない時は、まずはかかりつけ医への相談が大切です。
かかりつけ医がいない人は、まずは近所の通いやすい範囲の病院を探してみましょう。
また休日・夜間の子供の症状でどうすればよいか判断に困った際は「#8000」でつながるこども医療でんわ相談、大人の症状は「#7119」でつながる救急安心センター事業に電話をかけ、担当の医師や看護師に相談をしましょう。
受診が必要なら何科にかかればよいのか、緊急性が高ければ救急車を呼ぶかどうかの判断もしてもらえます。
安心して内科を受診したい方は多聞内科クリニックにご相談ください
前の項目でご紹介した症状がある方、かかりつけ医がいなくて不安な方は多聞内科クリニックにご相談ください。
多聞内科クリニックでは内科全般にわたる初期診療を行っているので、まずは患者の皆様の健康上の悩みや不安をお聴きすることから診察を開始します。
内科は幅広い症状を診るため、さらに細分化されています。
消化器病学会、消化器内視鏡学会、肝臓学会の資格を持っているのですが認定内科医、総合内科専門医があることが条件となっています。
そのため、内科学の基本となっています。
一般社団法人日本内科学会は、優れた知識と技能を備えた内科医を社会に送り出し、患者の方々がよりよい医療を受けられることを目的として認定医制度を設けており、「認定内科医」その上位の「総合内科専門医」の2種類の認定を行っています。
多聞内科クリニックの医師は、認定内科医と総合内科専門医があることから、安心して治療を受けることが可能です。
多聞内科クリニックでは、症状から適切に「疾患」を判断できるように努めています。
少しでもお困りの症状がある方はお気軽にご相談ください。
内科診療|高崎市の多聞内科クリニック (tamon-naika.com)
まとめ
内科は内臓の疾患を扱う診療科なので、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などにおける疑わしい症状が身体に現れた時に受診しましょう。
自分で判断がつかない時は「#8000」や「#7119」などに電話をかけて相談し、症状が悪化しないうちに対処方法を考えておくのが大切になります。
この記事も参考にして、内科はどんなときにかかれば良いかをしっかりイメージしていただければ幸いです。