右腹部や右肩の痛みは胆のう・胆管が原因?症状や対処法などを解説

最近お腹の右側や右肩がよく痛むけれど、原因がよくわからないので困っているという方はいませんか?お腹の右側がチクチクしたり、右肩の奥がズーンと重かったり、どこに相談したらいいのか分からないと余計に気分も沈んでしまいますよね。
実は、これらの症状の背景には“胆のう”や“胆管”といった消化器の不調が隠れていることがあります。
この記事では、お腹の右側や右肩に痛みがあった場合に考えられる、胆のうや胆管の病気の症状から対処方法まで詳しく解説します。
目次
胆のうと胆管の働きについて
胆のうと胆管は肝臓と十二指腸の間にあり、それぞれ次のような役割を果たしています。
| 項目 | 役割 |
| 胆のう | ・肝臓で作った胆汁(脂肪を消化するために必要な液体で1日1リットル程度作られる)を貯めておく ・胆汁の水分を吸い取り5倍~10倍程度に濃縮する |
| 胆管 | ・肝臓から十二指腸まで胆汁を運ぶ |
胆のうと胆管は、食べ物の消化に欠かせない“胆汁(たんじゅう)”という液体をコントロールする役割を担っています。胆汁は、肝臓で作られ「脂っこい食事のスムーズな消化」が主な働きです。
肝臓で作られた胆汁は食事をしていない時には肝臓から出て、胆管を通過後に胆のうに流れ、濃縮されて貯められます。
その後、食べ物が十二指腸に到着すると、胆のうが収縮します。そして胆汁を押し出し、胆管を通って十二指腸に注がれるという仕組みです。
胆のう・胆管で起こる病気
胆のうや胆管の機能が低下すると、どのような病気が引き起こされるのでしょうか。
3つご紹介します。
胆のう炎・胆管炎
胆のうや胆管の機能が低下すると、胆のう炎や胆管炎といった病気が引き起こされます。
それぞれの病気の概要や症状は次の通りです。
| 病気 | 概要 | 症状 |
| 胆のう炎 | 胆のうに炎症が起こる病気 | 【急性胆のう炎】 ・鈍痛や右上腹部の不快感 ・右上腹部の激しい痛み ・右肩や背中に移動する痛み ・発熱 ・吐き気 ・嘔吐 ・悪心 ・黄疸 【慢性胆のう炎】 ・痛みの発作を繰り返す ・腹部の不快感、膨満感 |
| 胆管炎 | 胆管がふさがれたり狭くなったりすることで炎症が起きる病気 | ・高熱 ・右上腹部痛 ・黄疸 ・ショックや意識障がい(重い急性胆管炎の場合) |
胆のうに炎症が起きた状態で、急性と慢性の2種類があります。重い急性胆管炎では、命に関わる危険な状態となるため早急な受診が必要です。特に急性胆のう炎は痛みが強く、日常生活に大きな支障が出る場合もあるため、注意しましょう。
一方、胆管炎は胆管が結石や腫瘍などでふさがれて胆汁がうっ滞し、細菌感染によって炎症が生じた状態です。進行が早く重症化しやすいため、一刻も早い治療が求められます。
胆のう結石・胆管結石
胆のうや胆管の機能が低下すると、胆のう結石や胆管結石といった病気になる場合もあります。
それぞれの病気の概要や症状は次の通りです。
| 概要 | 症状 | |
| 胆のう結石 | ・コレステロールなどを主成分とする結石が胆のうにできた状態 | ・食後の右脇腹痛 ・背中やみぞおち、右肩の痛み ・吐き気 ・嘔吐 ・食欲不振 ・消化不良による下痢 ・無症状の人が80%程度を占める |
| 胆管結石 | ・コレステロールなどを主成分とする結石が胆管にある状態 | ・食後の右上腹部の痛み ・発熱 ・黄疸 ・吐き気 ・嘔吐 |
胆のうや胆管にできる結石は、胆汁中のコレステロールやビリルビンなどが結晶化して固まったものです。生活習慣や体質によっては、知らない間にできてしまうことも少なくありません。
また、胆のう結石で無症状であれば、年に1回検査を行うことで通常通りの生活が送れます。しかし激しい痛みがある場合は早急な受診が必要です。無症状であっても、石が大きくなったり動いたりすることで急に症状が出ることがあるため、定期的な検査が大切です。
一方の胆管結石では、胆管に結石が詰まることで、胆汁の流れが妨げられる状態です。胆汁がうっ滞すると感染のリスクが高まる危険性があります。
とくに胆管に石が詰まった場合、胆管炎や膵炎を引き起こす可能性もあるため、早期の処置が重要です。
敗血症・DICなどの重症化
急性胆のう炎や胆管炎の方は敗血症やDIC(血を固める仕組みと血をサラサラにする仕組みのバランスが崩れた状態)を併発して重症化する場合があります。
何らかの細菌やウイルスに感染して敗血症になり、さまざまな内蔵が機能不全を起こす場合があります。
また、DICになると血の固まりが身体のあちこちにできてしまうため、全身の内蔵がダメージを受けて出血しやすい状態となってしまうのです。
特に高齢者が胆のう炎や胆管炎になった場合、表立った症状がなくても、重症と診断される場合があるため、右上腹部痛や右肩の痛みがあったらすぐに受診しましょう。
機能が低下する原因
胆のうや胆管の機能が低下する原因には次のようなものがあります。
- 食生活の乱れ
- 生活習慣の乱れ
- 過度なストレス
胆汁は脂肪を消化する働きがありますが、結石ができる危険性も高まってしまいます。結石ができるリスクを下げるためにも、脂肪の多すぎる食事は控えましょう。
右腹部・右肩に痛みが現れたときの治療方法
右腹部・右肩に痛みが現れたときの治療方法を2つご紹介します。
薬物療法
右腹部・右肩に痛みがある胆のう炎、胆管炎、胆のう結石、胆管結石では次のような薬物療法が行われます。
| 使用される薬 | |
| 胆のう炎・胆管炎 | 【軽症】 ・セフメタゾール ・セフォチアム ・フロモキセフ中等症 ・タゾバクタム ・ピペラシリン ・セフォタキシム ・セフェピム 【重症】 ・タゾバクタム ・ピペラシリン ・セフォタキシム ・イミペネム ・シラスタチン ・メロペネム |
| 胆のう結石 | 【胆汁の流れを良くする薬】 ・ウルソデオキシコール酸 ・ケノデオキシコール酸 |
| 胆管結石 | 【石を溶解する薬】 ・ウルソデオキシコール酸 |
薬は医師の指示に従って内服し自己判断で薬を止めたり、指示された以外の飲み方をしたりしないようにしましょう。
手術療法
右腹部・右肩に痛みがある胆のう炎、胆管炎、胆のう結石、胆管結石では次のような手術療法が行われます。
| 手術の概要 | |
| 胆のう炎 | 胆のう摘出術(胆のうを全て取り出す手術)、PTGBD(体外から超音波を当てて悪性の胆汁を体外に排出する) |
| 胆管炎 | ・ERBD(特殊な胃カメラを用いて胆管にチューブを入れ、胆汁の流れを良くする) ・PTBD(お腹から針を刺して胆管にチューブを入れ、胆汁の流れを良くする) |
| 胆のう結石 | 胆のう摘出術(胆のうを全て取り出す手術) |
| 胆管結石 | 内視鏡的胆管結石除去術(胆管の石を内視鏡で取り出す手術)、FRCP(胆膵内視鏡)で排石 |
手術の詳しい内容は医師に確認し、説明をよく理解してから受けるようにしましょう。
右腹部や右肩に痛みが現れた場合の予防方法
右腹部や右肩に痛みが現れないよう予防するには、胆のうや胆管の機能を低下させないようにしなければいけません。胆のうや胆管の病気は、生活習慣と深く関わっていることが多く、日々の過ごし方を少し意識するだけでも予防につながります。
胆のう・胆管の働きを健康に保つためにも、特に以下のような習慣が胆汁の流れをスムーズに保ち、結石や炎症のリスクを減らすうえで重要です。
- 栄養バランスの良い食事を摂る
- 肥満の場合徐々に体重を減らす
- 標準体重になったらそれを維持する
- 毎日運動を続ける
- 飲酒や喫煙の習慣があるなら徐々にやめる
- 気になる症状があれば早めに受診する
生活習慣を改善するのは難しいですが、少しずつでも前向きに取り組むことで予防につながります。
胆のう・胆管が原因で右腹部や右肩に痛みがある方は多聞内科クリニックへご相談ください
右腹部や右肩に違和感や痛みがある場合、胆のうや胆管のトラブルが隠れている可能性があります。右腹部や右肩の痛みがあり、胆のうや胆管に何か異常があるのではないかと感じた場合は、多聞内科クリニックにご相談ください。
特に以下のような方は、早めの受診をおすすめします。
- 痛みが繰り返し起こる、長引いている
- 食後に右脇腹や肩のあたりが重たく感じる
- 健診で「胆のうポリープ」や「肝機能異常」を指摘された
- 胃腸薬では改善しない症状が続いている
多聞内科クリニックでは、主に口から肛門までの消化管(食道・胃・小腸・大腸)や肝臓、胆のう、すい臓の病気などを診察してます。
日常的に右腹部や右肩の痛みがある場合はもちろんのこと、健康診断で「異常」「要再検査」の指摘があった方もご来院されています。違和感を覚えたら、症状を重くしないためにも早めの受診をしてください。